大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和37(さ)1 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

本件公訴を棄却する。

理 由

関係記録によれば、水戸簡易裁判所は昭和三六年七月三一日、被告人が昭和三六

年六月一五日午前九時半頃勝田市a地内道路において、法令に定められた後写鏡を

備え付けていないため、交通の危険を生じるおそれがある第二種原動機付自転車を

運転したという事実について、道路交通法六二条一一九条一項五号罰金等臨時措置

法二条刑法一八条を適用し、被告人を罰金五、〇〇〇円に処する旨の略式命令をな

し、同年八月一七日その謄本を被告人に送達したことおよび右略式命令は法定の期

間内に正式裁判請求がなされることなく、同年九月一日確定したことを認めること

ができる。

ところで、右道路交通法六二条は、車両等の使用者等が、道路運送車両法第三章

の規定等により定められた装置を備えていない車両等の運転を禁じているものであ

る。然るに道路運送車両法第三章中自動車の装置について規定した四一条は、その

一六号に後写鏡を掲げ、自動車は後写鏡について、運輸省令で定める保安上の技術

基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならないと定めているけれど

も、原動機付自転車の保安基準について規定した同四四条には、後写鏡については

何ら定めがない。従つて原動機付自転車については、後写鏡の装置は必要がないも

のと解しなければならないことは、検察官所論のとおりである。そうだとすると、

本件公訴事実として起訴状に記載されている被告人が後写鏡を備え付けてない第二

種原動機付自転車を運転したという事実は、道路交通法六二条に違反するものでは

なく、同一一九条一項五号に該当せず、罪とならないこと明らかであり、従つて被

告人の右所為につき道路交通法六二条、一一九条一項五号を適用して被告人を罰金

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五、〇〇〇円に処した原略式命令は法令に違反しかつ被告人のため不利益であつて

本件非常上告は理由があるものといわねばならない。

よつて刑訴三三九条一項二号、四五八条一号により裁判官全員一致の意見で主文

のとおり判決する。

検察官 米田之雄公判出席

昭和三七年六月二六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

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